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オルセー美術館へ行く#2 [2006伊仏旅行]

「帰国当日の朝~オルセー美術館へ行く」http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/2006-08-19)の続き

 この時オルセーでは、丁度「セザンヌとピサロ 1865~1885」と云う企画展が開催されていました。オルセーにやって来たのは今回で3回目ですが、よくよく考えてみれば、そうか、僕は過去2回は常設展示しか観ていなかったんだな、と初めてここで気が付いたのです。無理もありません、いつも時間足りないもんなぁ・・・。セザンヌはそれほどでもないけど、ピサロはちょっと観たいかも。しかし、今日もここに居られる時間はやっぱり2時間半くらいのもの。企画展を観たら、おそらく常設展は回り切れないでしょうね・・・。急なる迷いが生じて、心グラグラです。どうしよう・・・。

 ルーヴルがあまりに大きいので比較にならないかも知れませんが、オルセーだってかなり大きな美術館。取り敢えず過去2回は大好きな印象派の絵画を中心に早足で鑑賞しましたが、アールヌーボーのガラス製品、彫刻、印象派以前の絵画だってまだまだ全てはとても鑑賞し切れていないのです。


 今回、特に楽しみにして来たのはフェリックス・ヴァロットン
blogでお付き合い頂いているManbouさんに教えて頂いてから、彼はすっかり僕のお気に入りの画家となっているのです。ヴァロットン版の「麗子像」みたいな女の子が印象的な「Dinner by Lamplight」(写真上)を含めて、オルセーには彼の作品が少なくとも4点(油彩画)は収蔵されているらしいのですが、なんで今まで全く見過ごしていたのだろうかと思うと、口惜しくて口惜しくて・・・。

※参照過去記事・・・「FÉLIX VALLOTTON」http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/2005-10-23-1


 そしてロートレックの中でも一番の僕のお気に入り、「赤毛の女 / 化粧」(写真上)と是非、再会したいもの。この絵は98年の上野・西洋美術館で開催されたオルセー展で観て、とても深く印象に残っているのです。もし今回観られれば、かれこれ8年振り。昨年もとても楽しみにしていたのですが、運悪く展示されていませんでした。


 その何れも、置いて在るのは常設展示室。
 暫し企画展のピサロに気持ちが揺れましたが、やはり当初の予定通りに今年も常設展を観ることに決めました。初志貫徹!(?)。




 9時30分、開館時間です。今年も相変わらずだった空港並の厳密な金属物チェックを受けていよいよ入館。

 今年こそは印象派以前の、レベル0(日本での1階)に在る絵画をじっくり・・・と考えたのですが、好きなのでやっぱりすぐに階段を登ってしまいます。ワン・パターンと思いつつ、印象派の在るドームの最上階(レベル5)へ(^^;。

 すると、中2階ですぐにコヤツがお出迎え。
 あれ、きみは去年はここに居たか~?のフランソワ・ポンポン(1855-1933)作の等身大シロクマくん。ポンポンはブルゴーニュの出身の彫刻家で、動物をモティーフにした彫刻で有名。ここオルセーにはブロンズのふくろうやアヒルをはじめ120点もの作品が収められているそう。



 体長2mはゆうにありそうな大きさ。貫禄十分です。
 このシロクマくんは日本のミュージアム・ショップでは、よくルーヴルの青かばくんと並んでレプリカ(こちらは体長20cmほど)が売られているので、ご存じの方も多いのでは?。実物はこんなに大きいんですよね(^^。


 人の少ない内に、いかにもな館内撮影(笑)。

 ここに居ると、乗った列車がオルセー駅に着いて、ホームにいよいよ降り立った様な気分。かつての鉄道駅舎だった名残を色濃く感じます。

 ちょっと脱線。
 「アメリ」で一躍日本でも人気になったオドレイ・トトゥ主演の、「ロング・エンゲージメント」って映画をご存じですか?。第1次世界大戦中、戦後の1920年頃のブルターニュ、パリが舞台として描かれているのですが、その中でオドレイ扮する主人公マチルドが2回くらいオルセー駅から電話を掛ける場面が有るのです。その内の1つ、蒸気を吐く汽車がホームに停車していところを俯瞰したシーンは、丁度この真上辺りからの撮影で、そこから公衆電話を、って設定でした。もちろん、汽車はコンピュータによる合成画像ですが、オルセーのシーンはセットではなく、きちんと美術館内でロケをしたものだそうです。オルセー美術館でこの類の撮影に対して許可が降りるのはとっても異例のことなんですって。

ロング・エンゲージメント

ロング・エンゲージメント

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2006/08/04
  • メディア: DVD


 それでは、改めて最上階の印象派展示室へ向かいましょう。

 途中、まだスタッフの気配もないレストランの前を通ります。ここでランチを食べたいなぁ~と、かねてよりずっと思い続けているのですが、実現するのはいつのコトやら・・・(苦笑)。


 印象派展示室です。ご覧のとおり。未だ誰も居ません。一番乗り(^^;。
 このフロアにやって来て先ず目に入って来るのが正面のこの作品。カイユボットの「鉋をかける人々」↓です。いつ観ても力強いヴァイタリティを感じる1枚。


・ギュスターヴ・カイユボット / 「鉋をかける人々」(1875)

 カイユボットは印象派の画家としては比較的地味な存在かも知れませんが、現在、印象派の巨匠と呼ばれる画家達もその創作活動の初期は経済的に厳しく、彼の存在無くしては成り立たなかったかも知れないと言われるほど。大変裕福なブルジョワ家庭出身のカイユボットは印象派の友人達の作品を自ら買い取り蒐集することで、モネ、シスレー、ピサロらグループの仲間の活動を物資面から手助けしたそうです。

 彼のコレクションは後にその遺言によりフランス国家に遺贈されることになるのですが、謙虚なカイユボットはその遺贈コレクションから自分の作品を外していました。そんな控えめで心優しかった友人の為に、遺言執行人に指名されたルノワールはカイユボットの死後、遺族と相談し、この「鉋をかける人々」をコレクションに加えたんだとか。

 そのカイユボットの遺贈コレクションは油彩40作品にものぼり(提案された60作中、20作がフランス国家に受け入られなかった)、その中にはルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」やモネの「サン=ラザール駅」、マネの「バルコニー」、「オランピア」など、オルセーにおける印象派の代表的主要作品が多く含まれています。僕らがオルセー美術館へ行って、この素晴らしい作品たちを一同に鑑賞出来るのは、このカイユボットのお陰と言っても決して過言ではないのです。



・エドゥアール・マネ / 「浜辺にて」(1873)

 マネの「浜辺にて」は代表作として図録などでもよく目にすることが出来ますが、この窓枠を模したような黒い額に入っているといないのでは、その印象は大きく変わってしまいます。やっぱり実物を観ないとね。

 マネもカイユボットと同様にとても裕福なブルジョワ家庭の出身で、この絵も避暑に訪れた英仏海峡を臨むベルク=シュル=メールの浜辺で描かれました。女性はマネの妻シュザンヌ。男性はマネの弟で少し後にベルト・モリゾの夫となるウジューヌ。描かれているのは雇ったモデルを配して作られた光景ではなく、彼とごく身近な彼の周辺の優雅な暮らし向きの1コマなのです。


(その3へつづく→http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/Orsay-3


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TaekoLovesParis

レストランの写真がとってもいいので、リンクをはらせていただきました。
今回は、ちゃんと文中にリンクがつけられました。(ほっ)
by TaekoLovesParis (2007-01-22 20:18) 

yk2

taekoさん、この記事よく見つけましたねー。
ずっと途中で止まってたハナシだったから、人知れずこっそりアップ(だって、8月に書いてたヤツを仕上げたのが12月だったから・・・苦笑)した記事だったのに。
#実はこの続きも下書きで今も止まったままだったりして・・・(^^;。
by yk2 (2007-01-22 22:19) 

TaekoLovesParis

yk2さん、タイムマシンを操作する技をご存知なようで。。(笑)
12月アップだったんですか。
さっき、オルセー記事を探したら、#2もあって、レストランの写真が
華やかさがよく出ていたので、「使わせてもらおう」と決めたのでした。

マネの「浜辺」のこの額縁、私は装飾的すぎてあんまり、、って思ったのですが。。他は地味な額なのにこれだけ幕がついた舞台のようなんですよね
by TaekoLovesParis (2007-01-23 00:38) 

リンク晴らせていただきました。
いろんな方のいろな角度からの見方を拝見すると、また行きたくなりますね。
by (2007-01-23 05:47) 

yk2

タイムマシンって、taekoさん・・・(笑)。
続きをなかなか書ききれないので、ちょちょちょいとカイユボットのお話なんかを追記しちゃったりしてます(^^;。

マネの額は他の物と較べると確かに「強い」ですよね。でも僕にはなんだかフィルムの枠みたいにも思えて、この額のお陰でとても映像的に残るのです。taekoさんが舞台と仰ってるのも、きっと同じ感覚なんだと思います。
by yk2 (2007-01-23 22:37) 

yk2

Ikesanさん、リンクありがとうございます。

リンクして頂いてるのがこんな古い記事で申し訳ないので、来週から始まるオルセー展に関連して新しいblogを書きたいと思ってますので、その記事を是非TBさせて頂きたいと考えています。よろしくお願い致します。
by yk2 (2007-01-23 22:41) 

manbou

nice! できました!感激☆
でもココロからの nice! ですよ、社交辞令でなく。

たまに、「あ~なんかラーメン食べたい」って思うように、「は~、いい絵が見たい」と思うこと、ありませんか?

yk2さんの記事を読んでると、そういう気持ちが満たされます。
カイユボットのことも、知ることができて、感謝②です。
by manbou (2007-01-31 22:49) 

yk2

manbouさん、初nice!ありがとさんです~♪。

「ラーメン食べたい」と「いい絵が見たい」が一緒なの?。
僕はどうせだったら酸辣湯麺とかもっと中華っぽい麺がいいなぁ~(笑)

そう云えばmanbouさんはプーシキン展で何か不愉快な思いしたみたいで、あれ以降あんまり絵の話しなくなっちゃってますね。オルセー展は行かないのかな?。
by yk2 (2007-02-01 00:58) 

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