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絵を観て、桜を愛で、6周年メニューを食べて [そとごはん、そとワイン]

09年04月05日(日曜)

 毎年4月の初めに東京・上野の森美術館写実画壇展と云う展覧会が催され、僕はこれを過去3年間続けて観に行っている。このblogでのコメントの遣り取りから始まったご縁でお付き合いさせて頂いているフィレンツェ在住のフレスコ画家、福井洋一さん(→ http://firenze.blog.so-net.ne.jp/2009-03-31 )が作品を出展なさって居られるからだ。早いもので、洋一さんと知り合ってもう4年目。それは、僕がSo-netでblogを始めてからも同じく4度目の春って事なんだなぁ・・・。月日の経つのは、なんとも早いものです。

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 ところで、きみはどうして黄色い全身タイツに長靴なんてカッコなの?(^^。
 


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 ちょっとシュールで摩訶不思議な女の子が登場する今回の洋一さんの作品。タイトルは『絵画(ラ・カザリンガ壁画モデッロ)』

 ここ数年来見せて頂いている作品と違ってかなり余白が多く、色彩も抑えられてモノトーン中心。随分とさっぱりした作品と云うか、無礼を顧みず直裁に述べさせて頂けば未完成の様にも思えてしまう。そして、画面中央に位置する女性だけが写実的にリアルなタッチで描かき分けられていて、画面の中から異質な何かを訴えかけてくるみたいだ。

 はてさて、今回洋一さんは何を思ってこの様な構図を採られたんだろう?。

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 絵の真正面に立ってじっと見つめる内、やがて中央の彼女も実は絵の外にいて、僕と同じように様々に思いを巡らせながら、この絵を眺めているのではないかとも思い始める。余白が多いからこそ、描き込まないからこそ、今回は鑑賞者に、より多くを考えさせる作品になっているのかな?、なんてね。

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 その辺りのことを、絵を目の前にして洋一さんに直接お訊き出来れば楽しいだろうなと考え、会場内にお姿を探してみたのだけれどご不在の模様。毎々のご帰国中は大変お忙しいのは重々承知のことなので、せめて一言ご挨拶くらい差し上げて帰ろうと、携帯にお電話させて頂いたところ、なんと風邪で体調を崩されてしまい、この日はご自宅で静養中とのこと。あらら、それは大変に残念でした(^^;。お大事になさって下さいませ。

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 例年、この写実画壇展には大きな作品1点のみが展示され、同じ時期に銀座や横浜の画廊で小品展が別個に行われるのだが、今年はそれも同一会場にて開催。洋一さんからも直々に、「忘れずに観てね」とのお言葉。勿論ですとも(^^。

 こちらがその小品で「古いオリーブの樹」とのタイトルが付けられたテンペラ画。こちらは以前、洋一さんがフィレンツェ郊外の家に住まわれていた時のお隣さんの男の子、TAROくんがモデルかな?。そう云えば、blogでコメントを遣り取りするようになった当初の頃、絞りたての自家製オリーヴ・オイルのお話をblogに書かれいらしたっけ、なんて懐かしく思い出したりして。 




 展覧会を一通り見せて頂き美術館を出ると、目の前はお花見客でいっぱい。酔っぱらいのどんちゃん騒ぎとアルコールの臭いがイヤでも鼻について、シラフのこちらには何をどうにも間違っても風流だなんて思えない状況。ま、毎年のことですけどね(苦笑)。

 でも、折角なので大変な人波とは思いつつ、桜を眺めに公園内を歩くことに。

 確かにサクラの花は見事に咲いている。けれど、目に付くのはやはりどうしたって人人人・・・。本当に驚くほどに凄い人出なのだ。例えるならまるで大晦日の明治神宮か、展覧会なら2年前のダ・ヴィンチの『受胎告知』?、いやいや、遙か昔の子供の頃に延々並ばされたパンダ見物(笑)にも匹敵するかのような大行列。どうにもこれはいけませんね(苦笑)。カメラを持っていても、写真さえ撮る気になれず早々に撤退。移動しよう(^^;。


 上野から出て、その足で向かったのはいつものLe Chapon

 しかし、あんまりにも上野公園のサクラ見物の混雑がひどかったので、自由が丘から普通に向かうのではなく、口直しにちょっと回り道。大井町線で1つ先の駅の九品仏まで出て、浄真寺境内のサクラを見てみることにした。ここは別段たくさんサクラの木がある花の名所と云うわけではないけれど、駅からの一本道を歩いて行って、お寺の門をくぐって今来たその道を振り返って眺めてみると、まるで額縁の様になった門の中に、それはそれは見事にスクッと1本の桜の古木が映るのだ。これがあたかも奥村土牛の描いた門や桜の樹を観てる様にも思えて、何とも云えぬ風情を感じさせてくれる。

 こう云う素敵な風景こそ、しっかり写真に撮れたら好いのに、もう辺りはだいぶ薄暗い時間になってしまっている。コンデジで、門の向こうに咲くサクラを綺麗に写すのは多分無理な明るさだろうなぁ。来年忘れずにいたら、またこの季節にここにカメラを持ってやって来よう。


★ ★


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 さて、この日Le Chaponへ来たのは、開店6周年記念の謝恩メニューを食すため。去年の5周年記念のメニューを僕のblogで見てくれた友人と、早い時期から来年は是非一緒に、と約束していたのだ。


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 コースのスタートは食前酒から。甘酸っぱく煮詰めたイチゴを落としたグラスに、この店のハウス・シャンパン的なカントナールを注いだ爽やかな1杯。

 これを飲み干して、アミーズ・グール。この日はノルマンディー産のマテ貝、クート・ドゥ・メール。


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 謝恩メニューに合わせて用意されたシャンパーニュは、初めて口にする銘柄でラフォン。話に拠ると、カントナールと同じラドゥセット男爵の経営で、インポーターとしてはカントナールの上級銘柄的な扱いとして売り出したいんだとか。これ、ネットで市場価格7500円程度するシャンパーニュなのに、今回のLe Chaponの謝恩価格の設定はそれより安い驚きの6500円。儲ける気が無いというか、何だか申し訳ないくらいだ。ま、普段から、カントナールのフル・ボトルを6,300円(1年前まで5,800円!)で出してるお店ですから(^^v。

 味の方はこれがちゃんとコクがありながらも味も喉越しもスムースで、酸味も程よく、全てに於いてバランスが取れているように思える。味が強過ぎないのがいいね。全く食事の邪魔にならないもの。ここのところ、クシュのキュヴェ・ペルル・ドゥ・ナクルやフランソワ・スコンデ、ポール・デテュンヌなど、かなり美味しいシャンパーニュに飲む度続けて当たっているけど、これもそれらに負けない味。

 お隣はホワイト・アスパラガスの冷製にペリゴールのトリュフのせ。あれほどシャンパーニュはホワイト・アスパラを金属的な味わいに貶めてしまうから合わせたらダメ!って云ったでしょう!!と某おねいさん(笑)に強く叱られてしまいそうなんだけど、このアスパラはシャンパン・ビネガーでマリネしたように味が付けられていて、少なくとも僕と同席の友人の舌にはこの取り合わせが少しも不愉快に思えることはなかった。3月に食べたアスパラより更に太くなって、味の方も充分濃かったけどね(^^。


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 左、チビ太のおでんみたいな串ものは、ブルゴーニュ産エスカルゴのブロシェット。皮ごとロースとしたプロヴァンスのニンニクをホークの背で潰して、トマト風味のソースで頂く、初めて食べるエスカルゴ料理。黒っぽいエスカルゴの身は見た目アサリの佃煮の様で、こうして食べるとちょっとした珍味風。

 右、ホタテ貝のポワレ、ベネト産グリーン・アスパラ添え


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 この緑の球体は、ブルターニュ産オマールエビとラングスティーヌのシュルプリーズ・そのスープ仕立て。緑のコートの正体はほうれん草で、切ると中身はこんな感じ(写真右)。シュルプリーズってのは、吃驚させるもの、って意味で日本で云うならおでんの爆弾玉みたいなもんだって(笑)。とても上品で優しい味わいのすり身を受け止めるオマールとラングスティーヌのスープがたまらなく美味しい[ハートたち(複数ハート)]。これをパンにつけて食べたら、パンが幾ら合っても足りないくらい。


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 左、口直しは紅玉のグラニテ。友人はとても美味しいとご満悦。僕も同感で、出来ればこれを食後にもっと貰いたいくらいで、あまりに風味が好いので、二人ともこれにはほんのり白ワインが隠し味では?と尋ねたところ見事不正解(笑)。本当の紅玉は何も加えなくたって、充分美味しいデザートに出来るんだってオーナー・シェフのO氏は得意げにヒゲをピクピク(笑)。
 
 右、2本目のワインもやはりシャンパーニュ。以前に1回だけ飲んだことのある、懐かしいクシュのロゼ。2006年の12月を思い出すなぁ。

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 メインのお肉料理は、スペイン産ポーク、イベリコ・ベジョータのグリルとピレネー産のモリーユ茸、シェリービネガー・ソース。普段、このお店でメインに豚肉を食べることはほとんど無いんだけれど、このお肉は少しもパサついたところが無くて、柔らかく、かと云って弾力、歯ごたえはしっかり有って、また脂身の味が軽い。やや甘みのあるソースとモリーユ茸を絡めて食すと・・・、思わず笑いたくなっちゃうような旨さ。ここまででもいい加減おなかいっぱいのハズなのに、このお肉だったらまだまだ延々食べられちゃいそうだ。


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 そのおなかいっぱいさ加減に気が付いたのは、デザートの時。さっぱりとアイスクリームに煮た紅玉が添えられた1品を食べて、おなかに余裕があればいつもの定番もどうぞ、と云われた時。うう、プリンが食べたいのに、もうおなかいっぱいで何も入らなかった・・・(苦笑)。


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 それにしても、Le Chaponも開店から丸々5年が経ったんだなぁ。

 大好きだったお店が無くなってしまったり、友人関係や僕の気持ちに変化が有ったりもして(それを世間では歳を取ったせいとも云う?)、だんだんに通う馴染みのお店の数も減って来てしまったけど、ここLe Chaponだけには相変わらず1ヶ月に1回くらいのペースで食事に出掛けてる。料理が好きなのもあるけれど、僕はここで友人やお店の人たちと語らい、過ごす時間が好きなのだ。また、連れて行った友人が気に入ってくれて、そのまた友人を連れて出掛けたら、とても喜んで貰えた、なんて話を聞かされると、何とも云えず嬉しくなる。一時は月3回平均で入り浸っていたことを思えば、今は随分なペースダウンだけれど、もう若くないのでアルコールも程々にしないとね(^^;。その分、この先もずっと長く通っていたいなぁ。


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 帰り道、自由が丘の南口、マリクレール通りはサクラが満開だった。ほろ酔い気分で、友人とふたりベンチに座って暫しの花見。花を見上げながら思ったけど、やっぱり何だかんだ云って僕もサクラが好きなんだなぁ。なかなかオツな晩でしたね。

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