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恩地孝四郎 / 『ダイビング』 [ART]

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 7月と8月の間、当ブログのスキン用に使っていたこの絵は、日本の創作版画の草分け恩地孝四郎(おんち・こうしろう → wiki)の作品の場面を切り取ったもの。 飛び込む女性の若々しい躍動感の魅力を極力損なわぬ様にと、いろいろと散々試して横長の画面に押し込めてみたものの、こうして作品そのものと並べて見直してみるとちょっと無理が有ったかなぁ・・・(苦笑)。




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◆恩地孝四郎(1891~1955) / 『ダイビング』(1936) 多色木版

 この絵を知ったのは、横浜美術館で去年開催された展覧会・『魅惑のニッポン木版画』を観に出掛けた折のこと。

 それまで美術書や図録の類で見て僕が知っている恩地の作品は、ちょっと抽象的な作品やどこかルドンを思わせる様な象徴主義的な版画を幾つか、と云った程度だった。それらと比較したら、この『ダイビング』はまるでイメージが違うもの。こんな作品もあるんだ!と、少々驚いてしまったものだった。

 一瞬、空を飛ぶこの爽快感を確かに実感させるものは、 体の下に浮かぶ雲の存在。飛び込み台と空の高さを鑑賞者に示す、もくもくとした夏の雲。それは、日本画に通ずる様なシンプルな余白使いの画面にふんわりと配されて。もちろん、大胆な構図は浮世絵を先達に持つ日本版画の真骨頂だけれど、それでも昭和11年の作品とは思えない現代性に溢れたモダンなこの絵に、僕は一目で心を奪われてしまった。


タグ:版画
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