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Janet Seidel Trio / DELOVELY [jazzっぽいの、好き?]

THE MUSIC OF COLE PORTER

 昨年の夏、ウクレレを全面的にフィーチャーした『マナクーラの月』が日本で密かなブームと呼んでも良いほど評判となったジャネット・サイデルの新作がリリースされた。今回は副題「LIVE AT WOODFIRE ~ The Music Of Cole Porter」とあるとおり、コール・ポーター(1891-1964)の作品を集めて行った、彼女の母国・オーストラリアでのショーのライブ盤だ。

・Artist : Janet Seidel Trio
・Title : "DELOVERY"
  『コール・ポーターと私 ~ スウィーテスト・ライブ』
・Release : 2005
(※日本盤は2006年1月発売)
・Label : LA BRAVA MUSIC (Australia)
 http://www.labravamusic.com/
・Style : Female Vocal (jazz)

 

■Janet Seidel (vocal and Piano) , Chuck Morgan (guitar and ukulele) , David Seidel (bass)

01.IT'S DE LOVELY (1936)
02.LOVE FOR SALE (1930)
03.DREAM DANCING / NIGHT AND DAY (1941/1932)
04.BEGIN THE BEGUINE (1935)
05.LET'S MISBEHAVE (1927)
06.I'M IN LOVE (1925)
07.DIALOGUE:into "LET'S DO IT"
08.LET'S DO IT (1928)
09.YOU'RE THE TOP (1934)
10.DON'T FENCE ME IN (1944)
11.WHAT IS THIS THINGS CALLED LOVE? (1929)
12.SO IN LOVE (1948)
13.DIALOGUE:into "I LOVE YOU"
14.I LOVE YOU (1943)
15.ANYTHING GOES (1934)
16.THE PHYSICIAN (1933)
17.TRUE LOVE (1955)
18.YOU'RE SENTIMENTAL (1955)
19.EVERY TIME WE SAY GOODBYE (1944)
20.I LOVE PARIS (1944)
21.YOU' DO BE SO NICE TO COME HOME TO (1952)*bonus track for japan



 録音は2005年5月8日の日曜日に行われた。シドニーのクラブ「ウッドファイヤー」での、たった一晩のショーがそのままに収録されているものが今回の作品。演奏はピアノとヴォーカルのジャネット、前作で軽妙なウクレレを聴かせてくれたギタリストのチャック・モーガンとジャネットの兄であり、彼女の作品ではプロデュースも手掛けるベーシスト、デヴィッド・サイデルとのドラムレス・トリオ。
 グラスやナイフ、フォークなど食器の当たる音もリアルに残されるクラブでの録音は、本音で言わせて貰えば僕には残念なところ。始まっていきなりくしゃみしてる客とか居るんだもんなぁ・・・(苦笑)。
 しかし演奏自体はとてもリラックスしたムードで進行し、ジャネットのほのぼのとした温かい声も好調。チャックのギターもデヴィッドのダブル・ベースもスウィングしまくっている、本当に楽しい、素敵なライブ盤だとお薦め出来る。但し、前作でのチャックの素晴らしいウクレレ・サウンドに魅せられた人が、そのイメージを引きずったでまま聴いちゃうと結構「普通にジャズ」してるので、その辺をどう感じちゃうかは僕には分かりませんが・・・(笑)。


 それにしても「ジャネット・サイデルがコール・ポーターの作品集を歌う」と言うこの素晴らしい企画が、たった一晩のライブ・ショーで録音され、即完成させられてしまったことが、僕には残念でならない。何でもこの日の晩はDVD用にと映像も記録されていたらしいが、それはライティングの問題でジャネットの顔が白く飛んでしまい商品化出来なかったのだとか。
 前作、『マナクーラの月』は本当に良いアルバムで、ジャネットは昨夏より僕が一番に聴いたヴォーカリストと断言していい。早く新作が聴きたいものだと楽しみにもして居た。そこに年明け早々に新作がリリースされるとのニュース。それも前述のとおり全曲僕の大好きなコール・ポーターを歌ってくれている!と言うおハナシ。
 ジャネットについても、ポーターについても思い入れは過去のブログにしたためているのでここでは割愛するが、これは嬉しい。絶対に嬉しい!。聴く前からもう愛聴盤になるのは目に見えている。
 ところが・・・、次のニュース・ソースを見て少々ガッカリしてしまった。それが「ライブ盤」だと知ったから。はああぁ・・・(溜息)。
 特に大きな理由があるわけではないけれど、僕はライブ作品よりスタジオ作品の方が好き。ライブ盤も勿論聴くけれど、どうも夢中になって聴き込むまでには至らない。ライブならば出来れば映像付きの方が有り難いところ。ま、何を言ってもこれはもう好みなんだから、どうしようもないことなのだ。けれど、きっとこれでジャネットがスタジオに於いて以降、今回の収録曲達を再度吹き込む機会は薄れてしまうのだろうなぁと思うと、やっぱりちょっと悲しい・・・。


 それでも、ポーター作品の軽妙洒脱さは、ジャネットの明るい声のキャラクターと抜群の相性を見せている。①“LET'S MISBEHAVE”、⑥“I'M IN LOVE”、⑮“ANYTHINGS GOES”、替え歌を織り交ぜ、何度も客席から笑いが起こる⑦“LET'S DO IT”など、聴いていて本当に楽しい。まあ、ここでの楽しさはオーディエンスの反応ある「ライブならでは」なのだが・・・。
 ⑩では前作よろしく、チャックがウクレレを披露。全体の流れの中で心地良いアクセントになっている。また、ピアニストに取り上げられることは多くても、何故か歌入りで僕が聴いたことの無かった⑭“I LOVE YOU”での甘い声もとても素敵だ。ああ、やっぱりジャネット・サイデルの声って、今最高に好みのジャズ・ヴォーカリストだなぁ~って僕に実感させてくれるトラック。そして他の何が良かったとしても、この曲の出来が悪ければ全て台無しにしてしまう程、僕にとってポーターと言えばこれ!の⑲“EVERY TIME WE SAYGOODBYE”もやや軽めの歌唱ながらしっとり聴かせる。この歌はやっぱり声が綺麗な人が歌うといいね。
 最後に1曲だけ、日本盤用にスタジオ録音の“YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO”が収録されている。ヘレン・メリルの歌唱で日本人に人気の高いこの曲を、別演奏でやってくれているのは嬉しいプレゼント。でもやっぱりこんなふうに、みんなスタジオで録音したものが聴きたかったんだよなぁ、しつこいんだけど(苦笑)。


 因みに今年は5月に富士通スペシャル「ジャズ・エリート」コンサートでの来日が決定しているそう。あまのじゃくな僕はホールでのイヴェント的なコンサートは避けて、是非ともジャネット単体を小さいハコで観たいトコ。JZ BRAT(http://www.jzbrat.com/top.html)あたりでの再演があるといいなぁ。

※過去の関連記事
ジャネット・サイデル / MOON OF MANAKOORAhttp://ilsale.at.webry.info/200508/article_1.html

The Cole Porter Story~五線譜のラブレターより
http://ilsale.at.webry.info/200504/article_5.html


コール・ポーターと私~スウィーテスト・ライブ

コール・ポーターと私~スウィーテスト・ライブ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インディペンデントレーベル
  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: CD

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コメント 2

plot

ジャネット・サイデルはまだ聴いたことが無いのですがコール・ポーターの曲は大好きなので楽しみです。といってもHigh Five Quintet / JAZZ DESIREも、いまだに見つけられないので3月の一時帰国まで無理かも知れませんが。
「五線譜のラブレター」観そこなってとても残念に思っていたのだけど、yk2さんの記事を読んだら観なくて正解だったという気持ちになりました。
by plot (2006-02-09 18:28) 

yk2

コール・ポーターの作品云々は抜きにしても、ジャネット・サイデルはお薦めしたいヴォーカリストですよ~。前作「マナクーラの月」は本当に和みます。ちょっとお茶目な歌声とウクレレが最高のマッチングです。

で、「五線譜のラブレター」ですが、コールがどんな暮らしをして、結果、あの素晴らしい楽曲達が出来上がって行ったのかを知ると云う意味では観ても悪くはないと思いますよ。特に僕はジャズ側からのコール作品しか知りませんでしたから、元々はミュージカルの挿入歌と云う、曲の生い立ちを知ることで興味の幅も広がりました。乗り越えられない趣味の壁は確かに大きいですが・・・(苦笑)。
by yk2 (2006-02-09 23:39) 

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